「なんか居心地がいい場所だよね」という共感。中年男性とJKの精神年齢が一致する!?
見えない買春の現場 「JKビジネス」のリアル 第7回
■恋愛の理想像を少女に押しつける男性客
とはいえ、全ての男性客が女の子とうまくコミュニケーションがとれるわけではない。むしろ、一方通行のコミュニケーションを押し付けてくる男性も少なくない。
桑田「ものすごくコミュ障な人は頻繁に来ますが、こういった店に来る方は、それなりにアクティブだと思うんですよ。それでも、ちょっとこの人は社会的に表に出せないな…という人はいました。コミュニケーション能力が低すぎて誰とも喋れないような男性は、見学店(マジックミラー越しに少女の姿態を見学する店)の客には多かったですね。
リフレに来て、女子高生と恋人みたいになりたいと考えているお客さんって、自分自身がこうありたいという恋愛の理想像を女の子に押しつける傾向があります。それにうまく応えられる女の子は人気嬢になれる。逆にひいてしまう子は売れない。売れるためには男の恋愛理想像に合わせる必要がある。合わせられる子がどんどん売れていく。
リフレに通うお客様は偶像が好きなんです。女の子が自分の理想であってほしいと思っている。ある女の子のツイッターのプライベートアカウントの存在がばれた時、ファンの間で大騒動になったんですよ。『彼女がこんなことを言うわけが無い!』『偽物のアカウントだ!』と。本物だったんですが(笑)。偶像は崩れた時が怖い。
女の子に言わせると『それぞれのお客さんで求めてくるやり方は違うけど、彼らの根っこにあるものは一緒』だそうです。すなわち、誰も認めてくれない俺のことを理解してほしいという承認欲求が根っこにある。そうした欲求をメチャクチャ強く持っている。逆に、彼らはこういうところでないと誰にも認めてもらえないわけです。そういう人ばかりが来る。女の子に対するアプローチの仕方が違っても、不器用であっても、根っこの部分は一緒。彼らのそうした欲求に応えるためには、女の子の側に演技力が必要になります」
「自分のことを認めてほしい」という承認欲求は、言い換えれば一方通行のコミュニケーションである。リフレの女の子にお金を払って「私はあなたを認めています」という演技をさせたとしても、それは自分の頭の中のファンタジーをなぞっているだけのマスターベーションにすぎない。お互いに話し合って価値観をすり合わせることで人間関係や信頼関係を育んでいく現実の恋愛とは全くの別物だ。
桑田「お金さえ払えば、女の子に恋人のような演技をしてもらうことはできる。しかし、そこで『この子はこんな俺を認めてくれた』という勘違いをして、恋愛感情を抱いてしまう男性がいる。一方的に勘違いをして、ラインで『店を通さずにあった方が楽しいよね』みたいなメッセージを送ってしまうと、女の子から『何言っているの、この人』と思われる。
ただ、男性客はほぼ全員勘違いしています(笑)。演技をあえて楽しむ、という人もいるとは思いますが、そういった人はメイド喫茶の愛好家のような世界観を楽しめる上級者であり、自分自身のことを客観的に見られるから問題ない。しかしJKリフレのメインの客層は、疑似恋愛を恋愛と勘違いしてしまう人たちです」
(「見えない買春の現場 『JKビジネス』のリアル」より構成)
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